中学生・高校生のスポーツ障害・スポーツ事故の予防‐体育の授業や部活動について

運動前・運動中の健康状態をこまめに把握する

　運動前に、頭痛や発熱、怪我など、身体に異常がある場合、競技者は運動への参加を避けることが必要です。自分では「少しの身体の異常くらいは大丈夫だ」と思っていても、無理をすることで症状を悪化させ、スポーツ障害を招くことが考えられます。

　また、体の変調が外から見て明白に分かる時には、指導者や周囲の人たちが運動の中止を勧告することが必要です。体育の授業や部活動の途中で、明らかに体調がおかしい人がいるならば、その人に運動の中止を勧め、学校の保健室に連れていくか、病院で医師の診断を受けるように勧めるかのどちらかの対応をすることが大切です。

　特に、安全や健康に対する認識が浅い指導者の場合、明らかに体調の悪い競技者に無理をさせるようなことを強いるケースがあるようです。また、体育会系的な考え方の悪しき部分として、競技者が自らの体調が悪いことなどを申告することを勝手に「弱音をはいている」と決めつけるような傾向があり、そのため、競技者自身が自らの体調の異変を周りに知らせることができない雰囲気が普段から作られている場合があるようです。そのような雰囲気こそが、スポーツ事故やスポーツ障害の要因になっていると考えられます。

　従って、重篤なスポーツ障害を防ぐためには、自らの身体の変調を他の人に相談できるような雰囲気を作ることも重要になってくるものと思われます。

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