中学生・高校生のスポーツ障害・スポーツ事故の予防‐体育の授業や部活動について

半月板損傷に注意

　半月板損傷は、半月板（膝の「皿」の部分）の損傷によって起こるスポーツ障害です。膝の「皿」は、一つだと思っている人も多いですが、実際には「内側半月板」と「外側半月板」としてセットになっており、しかも軟骨部分のため、損傷すれば再生が難しいという欠点もあります。

　半月板損傷は、柔道などの武道で膝への関節技を受けて起こるなどのケースも多く、武道必修化で今後は授業などでこの損傷が多く起こる可能性も危惧されています。また、ジャンパー膝のように腱の断裂などの痛みをともなう症状というわけではなく、初期は膝関節の違和感程度の症状しかないので、初期症状を見逃したまま、後になっていきなり関節炎や水ぶくれといった重篤な症状に発展してはじめて「半月板損傷の発症」が判明してしまうという点で危ない症状です。

　しかも、半月板損傷は、一旦発症してしまうと、膝の働きが充分でなくなるため、特定のスポーツではなくスポーツ全般の動作に困難を感じることになります。重症の場合は、外科手術での治療という判断がなされることもあるなど、主治医と慎重に相談したうえでの治療が求められますので、主治医と十分に治療方針について話し合う必要性があります。

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