中学生・高校生のスポーツ障害・スポーツ事故の予防‐体育の授業や部活動について

筋肉痛と肉離れに注意

　激しいスポーツの後で、筋肉痛が起こって非常につらい経験をしたことがある人は多いと思います。スポーツをすると、筋繊維が小さな断裂を起こします。筋肉痛の原因としては、繊維組織の炎症が原因だといわれたり、乳酸が蓄積していることが原因だといわれたりしていますが、いずれにしても、運動後のクールダウンで筋肉痛を抑える事が必要です。

　しかしながら、筋肉痛よりもやっかいなスポーツ障害は、いわゆる肉離れという症状です。肉離れは、太腿やふくらはぎなど、大きな筋肉が断裂して起こるものです。筋肉痛のときの筋肉の断裂は小さなものですが、肉離れで起こる筋肉の断裂は、筋肉痛よりも大きい形で起こります。

　肉離れを起こしてしまうと、膝の曲げ伸ばしのときに激しい痛みが生じます。完治するまで数週間かかってしまうので、しばらくの間は運動だけではなく日常の歩行も苦痛を伴います。

　また、いったん肉離れを起こしてしまうと、そのときには完治しても、再び再発しやすいという傾向があると指摘されています。スポーツを長く続ける人にとっては、肉離れを一回でも起こしてしまうこと自体が好ましくない状況だといえます。肉離れを防ぐためには、普段から無理なトレーニングをせずに、自分に合うようにトレーニングを調整し、スポーツの後にはしっかりとクールダウンを行う事が必要です。

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